タイムループ協力ボードゲーム「文絵のために」をネタバレしないようにレビュー

文絵のために
文絵のために ボードゲーム

カナイセイジ先生作、時間ループ物のボードゲーム。
幼馴染を救うために過去を変えるというストーリー。
ループ物大好きな私たちは即予約。届いたのでさっそく遊んでみました。

ネット上での過度なネタバレを禁止している作品ですので、簡単なプレイの流れと内容を省いた感想だけ、「よし…これくらいは公式サイトに公開されているマニュアルに書いてあるよね…」というレベルでお伝えいたします。
文絵のために ボードゲーム 

ざっくりルール

2人用です。カードゲーム。

カードハンドリングはHANABIとボーナンザをミックスした感じです。
・自分は自分の手札を見れない
・ドローした順番でプレイされなければならない

っていう点で。

3枚手札をドロー。順番はいじれません。
自分が持っているのは相手がプレイする手札なのです。つまり相手は次に何のカードを自分が使うことになっているか見れない。
文絵のために ボードゲーム イラスト

自分の手番でやることは、相手が持っている次のカードを
・表向きでプレイするか
・裏向きでプレイするか

基本はそれだけ。
文絵のために ボードゲーム イラスト

表向きプレイっていうのはカードの効果が発揮される。
裏向きプレイで使うとそのカードの効果は発揮されず、2種類の通常アクションのうちどちらかができる。
①自分が見ている相手のカードの順番を入れ替える
②自分が見ている相手のカードのうち一枚をデッキに戻してシャッフル

成敗」の裏向きプレイで一般アクションできるっていうのに少し似てますね。

最後に3枚になるまでドローして手番終わり。
「何らかの条件でゲームが終了するまで、互いの手番を交互に繰り返します。」(←説明書そのまま)

カードは初めスリーブに入れられており(遊ぶ前に自分で詰めます!)表向きプレイの効果が一度使うまで分からないようになっています。

そして、このゲームはなんとマルチエンディング。こんな風なエンディングブックがついています。
文絵のために 
「何らかの条件でゲームが終了」したら、対応するページを見ます。

文絵のために ボードゲーム イラスト
他のページを開かないように…

この2点の内容が明かされちゃうと面白さがへってしまうのでネタバレしないようにということですね。

感想

1ループ目…
全然カードの内容も進め方も分からないのでとりあえずカードの効果を確認するのがメインのプレイ。マニュアルでもそれが推奨されてます。
文絵のために ボードゲーム イラスト
「あ、おわった」
「あー、こういうことか・・・」
「・・・」

この時点では、カードの効果が分かったところで「ふーん」って感じだったし、あっさりしたゲームの流れに、ああこれは求めていたループ感と違うわ…というのが正直な感想。

でもエンディングを見て……びっくり!
文絵のために ボードゲーム イラスト
たんぱくに思えた今のプレイの様子をそう考えればいいのね!
と一気に腹落ちしました。
今しがたやったプレイが急にストーリー性を帯びます。

これは初体験ですね。カードゲームやった後に何か要素が加えられて、今したプレイをストーリー性が追いかけてくる体験。

たとえばクニツィアのロストシティやりますよね。あれは事前に遺跡探検っていうストーリーを与えられているから、プレイ中にスポンサー達に調子こいちゃって大借金抱えてる探検家がイメージできる瞬間があるわけです。

ボードゲーム ロストシティ イラスト
借金確定!

もしくはフリーゼのファミリア。あれはギャング抗争ってテーマを知ってるから、プレイ中に黄色いギャングが他のギャングをひっぱたいてる様子がイメージできるわけで。

「文絵のために」は逆。初回プレイ後にイメージが喚起されます。さっきプレイした展開がアニメーションになって再生される感じ。
2回目のプレイ以降は、さっきまでただのカードだったカード達が個性と感情と意思を持って脳内でしゃべり出しました。

カードの効果が明らかになるにつれ、だんだんルールや、やるべきことが分かってくるというのが、確かにループ物の主人公になったようです。今までとは違った形でループ物の没入感ありました。センスあるデザイナーが作るとボードゲームが表現できる世界って無限なんだなーと思わされました。

ただ、このゲームは一緒に遊ぶ人を選んだ方がいいでしょう。初めは何もわからなすぎて、「何かあるんだろう」という期待値だけで1,2度はプレイすることになります。
これは初心者同士には難しいし、少しでもプレイに乗り気じゃない人とやるのも難しいだろうなと感じます。ある程度リテラシーと未知を楽しむ気持ちがある2人なら楽しめると思います。

あと購入前に私が気になったこととして、プレイ時間15分って書いてあるけど1回クリアしたら終わり?リプレイ性は?っていう点について。ほうみ個人の感じ方としてはこのゲームはリプレイ性有りだと思います。つまりカードの効果が全部分かった後も、クリアした後も楽しく遊べるゲームだと思います。プレイング自体が楽しいから。そもそも15分を何度もループしないとクリアできないですし。

ループ物といえばそろそろ「タイムストーリーズ」やりたいですね。拡張も持ってるのに、一緒に旅立つ仲間がそろわなくてプレイできてない…。2人でも楽しいのかなあ…。あれはリプレイ性なさそうだしなあ。

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