ラプトル
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子供を逃がそうとするラプトルと、サンプルとして子供ラプトルを捕まえようとする人間、の二人用対戦ゲーム。30分くらい。
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ざっくりルール
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ラプトル陣営は母ラプトル1匹と子ラプトル5匹、
人間陣営は4人の人間でスタート。(人間コマは追加あり)
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6枚のボードを長方形に並べて作るマップ。岩の位置が変わる。
母ラプトルは「何かにぶつかるまでタテヨコどこまでも」の飛車みたいな移動範囲なので、岩の位置が変わるとけっこう違う感覚で遊べる。
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ラプトル陣営の勝利条件は
・子供ラプトルを3匹逃がすこと。
もしくは
・盤面上の人間を全滅させること。
人間の勝利条件は
・子供ラプトルを3匹つかまえること
もしくは
・母はラプトルに5発麻酔銃を撃ち込むこと
人間はサンプルを集めようとする研究者っていう設定。
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各キャラの動かし方
アクションはカードで行う。
各陣営9枚だけ。
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9枚のデッキから3枚引いて手札にする。
毎ラウンド1枚カードを選択。
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いっせーのせーでオープン。
ここからの処理が面白い。
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低い数値を出したプレイヤーはカード上部に書いてある特殊アクションができる。
特殊アクションの例は
人間:火タイルを置いたり、人駒を追加したり、ジープで移動したりetc...
ラプトル:子を呼び寄せたり、体力を回復させたり、身を隠したりetc...
そのあと
数値が多かった方が、相手との差分、通常アクションを実行できる。
通常アクションの例は、キャラの移動、
人間:子ラプトル眠らせ、捕獲、狙撃 etc...
ラプトル:攻撃、火消し、眠った子ラプトルを起こす etc...
数字で負けることにも意味があるのがいいアイディア。
効果によっては、あえて負けたい状況もある。
でもそういうときもギリギリで負けるのが望ましい。
極端に言えば、9-1で負けようものなら相手に8アクションも進呈してしまう。
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一気に距離を詰められて食われまくる人間たち
6アクションくらいでもかなりの大惨事
一度使ったカードはデッキがなくなって、シャッフルしてデッキ作り直しまで使えない。
1のカードはデッキ切れの前に、今の捨て札をデッキに入れて再シャッフルの効果があるので使いどころ大事。
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これを繰り返して、
子ラプトル3匹捕獲を狙ったり、母ラプトルの体力を削ったり、
人間を除去しつつ、子ラプトルを逃がしたり、
それぞれの勝利条件を目指すゲーム。
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感想
1から9まで弱い数字も強い数字も入った、枚数の少ないデッキ。
それを基本的には使い切りなので、
どちらかが調子よくても、どこかで必ず手が止まるっていうのが面白いです。
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初手で大量のアクションポイントを与えてしまい、いきなり持ち駒の半分を食べられてしまったとしても、なんやかんや最後には接戦になったりするのです。
そのバランスが良くできています。
あとは勝利条件がそれぞれに2つあるのもgood。
クニツィアの『バトルライン』など、勝利条件が2つあるゲームは面白いものになりがち。
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攻め筋が2つあると複雑な攻防が生まれます。
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子ラプトルを追い詰めると見せかけて
不意を突いて母ラプトルを撃ちまくるとかね。
でも実は、1~2回のプレイでは面白さがわからず、棚で寝かせてたけど、じっくり4回くらい続けてやってはじめて、「なるほどまあまあ面白いね」と再評価できたゲーム。
リアルなフィギュアで、ジュラシックパークみたいな映画っぽいテーマで
なんだか見た目はとっつきやすい。
ガチャプレイでも手軽に盛り上がれそう!って始めるんだけど
その心構えで遊んじゃうと
展開の見通しが意外と悪く
カードの使いどころがよくわからず
遊んでいるというより、そのときめくったカードの効果に遊ばれてるなーという印象で終わってしまうのです。
キャッチーな見た目と、面白さの理解に時間がかかる中身のギャップに注意。
プレイするなら、2人共がカード構成を理解できるようにじっくりやるべし。
個人的に好きな展開は
ゲームが進むと、どちらかがあと3アクションあれば勝ち、
っていう王手みたいな状況になってきます。
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そこからは相手の押し引きを見極めて
相手とのカードに差が出ないようにいかに状況を挽回していくかという
片肺飛行的な読み勝負を強いられます。
このチャレンジングな雰囲気の収束の仕方好き。
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あとは
作戦の一つとして
相手の必要な特殊効果をあいこでつぶす駆け引きなんかも好き。
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※同じ数字はどちらも捨て札になる。
1デッキ中に人間コマ追加のチャンスは2回。2と6の特殊効果が発動した時。
もし1回目を偶然あいこで無効にできたら、もう一回も狙ってみる。
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一度も人間コマを追加できないというのは
人間側は逃げるので精いっぱいで攻めるどころではないという
ラプトル側に超有利な状況を作り出せるので、積極的にねらってみる。
逆に人間側ははラプトルの5と7の体力回復チャンスをつぶす、とかね。
カードを出すタイミングのそういう読み合いが
ボードの要素が追加されたEカードっぽくて
じわじわ面白くなってきます。
これは4、5回くらいは遊ばないと我が家ではわかりませんでした。
機会があれば遊んでみてください。