みなさんは共感覚ってご存知でしょうか。
味に形を感じたり、音に色を感じたり、数字や文字に色がついて見えたり
そういう、通常の感覚と違う感覚が、一緒に感じられる現象。
ムンクやダ・ヴィンチ、宮沢賢治などの芸術家が、その共感覚を持っていたと言われています。
共感覚者のエピソードを見ると
ひらがなの「う」は赤に見えます、とか
数字の「7」は緑に見えます、とか
この曲にはこういう感じの色がついて見えます、とか言うんだけど
こっちはどうがんばっても見えないから
って感じで、ぜんぜんわからないんですよね。
見えないってなるとやっぱ見たいと思うじゃないですか。
どういう感じなんだろうって気になってたんですけど
今回は、
後になって考えてみれば、あれは共感覚だったんじゃないの?
っていう、ちょっと不思議な体験したカードゲーム
「イリュージョン」のご紹介です。
ざっくりルール
こういう4色(赤・黄・緑・青)で書かれたカードを使うカードゲーム。
裏には、表の絵に使われている
それぞれの色の割合が%で書いてある。
まず、そのラウンドの指定色を決める。
こういう矢印カードを1枚引く
そのあと一枚カードを表にして置いてゲームスタート。
自分の番が来たら、一枚カードを山札から引いて
矢印の方向に、指定色の割合が大きい順に並べていく。
順番にそれを続ける。
それを続けて
自分の番が来た時に、列が指定色の大きい順になっていないと思ったら
ダウトを宣言する。
カードをひっくり返して、指定色の順番になっているか、チェック。
もしもどこかが間違っていたら、ダウトしたプレイヤーに1ポイント。
※写真の裏を向けたカードは数値を覚えてしまわないように別のものに入れ替えています
すべて合っていたら、ダウト失敗。
ダウトしたプレイヤーの一つ前のプレイヤーが1ポイント。
(きわどいのを通せば通すほどチャンス)
という色面積把握ゲーム。
共感覚を体験したっぽい話
これを初めて遊んだ時、ふしぎな体験をしたんですよ。
その時遊んでたのが、私たち夫婦2人と、お客さんが3人。
当時は、まだあんまり遊びに来たことない人達だったから
ちょっと気を使うような関係の人たち。
そこでこの、ルールが簡単そうで、キャッチーっぽい
「イリュージョン」を出してきて遊んだんです。
でね
プレイ中、ずっと、なんかカードの上に
こういう丸いものが浮かんでるんですよ。
今、それを思い出せば、現実にないものが見えるっていうのが
おかしいことだって理解できるんですけど
でもその時は、それが不思議じゃなかったんです。
なんか無意識に、それは当たり前にあるもの
みたいに思ってたんですよ。
うーん、ここの所が説明が難しいんですけど
「生まれて初めて、このイリュージョンっていうゲームをやるから
そういう生まれて初めてのことが起きていても、別に不思議じゃない」
みたいなことを無意識に受け入れてるっていう感じ。
(今、言語化すればそういうことだけど、その時は意識してない)
で、その丸いモヤモヤしたものが、それぞれ大きさが違くて
「コレなんだろうなぁ」と思ってたんですけど
ゲームを続けてて、その丸いモヤモヤが大きい方のカードが
指定色が多いカードらしいってことを発見したんですよ。
その時点で、一緒に遊んでいるみんなに言いました。
って何気なく話したら
みんなキョトンとしてて
「何か見えるんですか」
「すごいですね」
みたいなうっすい反応が返ってきて
そのときはじめて、これが見えてることの不思議さに気づきました。
それが分かってからも、丸いモヤモヤは見え続けてて、
「え、なんなんだろこれ」
って思ってました。
そのときどうやってモヤモヤを利用してたかというと
モヤモヤの大きさ比べだけで、カードの順番を判断してたわけではなくて
通常通り、絵の色を頭の中でカットして、並べてかえて比べたりもしてました。
どっちかの感覚があやふやのときは
もう一つの感覚で確認するって感じで
併用?っていうのかな。そんな風にプレイしてました。
ゲームを続けても、やっぱり
指定された色の割合が多い方が、モヤモヤが大きい
っていう関連があるように思えて
とにかくずっと「なんなんだこりゃ」って思ってました。
それで、1回、どう見くらべても、同じ大きさのが浮かんでたんですよ。
「あれ?やっぱ意味ないのかな?大きさとか関係なく
ただの幻っていうか、なんか変なの見てるだけなのか」
って思ったんですけど
答え合わせの時に確認したら、パーセンテージが一緒だったんです。
そのとき「うわ、ちょっとコレすごいな」って思いました。
これがね、もし、一緒に遊んでたのが、いつも遊びにくる人達だったら
みたいな流れになったと思うんですけど
その時一緒に遊んでたのは
まだウチに慣れてない人たちだったから
わざわざゲームを止めるのも悪いなと思って
そのままゲーム続けて、終わったんですよね。
正解率は高かったです。
他のプレイヤーのカードを、頭の中で判断したのも含めて
8割超えるくらいは正解してたと思います。
ゲームの勝者は他の人でしたけどね。
(ゲーム自体は、きわどいカードが出てくるタイミングや、自分の後に、アグレッシブなプレイヤーがいるかどうかで、得点チャンスが変わるので、正答率が高ければ必ず勝つみたいなゲームではない)
別のゲームもやって、その日はそれで終わったんですよ。
で、特にそのことを深く考えもせず、3週間ぐらいたったころ
ふと、電車乗ってる時に
「あれって、もしかしたら共感覚だったんじゃないの!?」
って気付いたんですよ。
当時のわたしにとって、共感覚って
耳で聞こえたものに色がつく
(聴覚→視覚)
っていうイメージが強かったから
すぐにはピンとは来なかったんですよ。
色の面積を見比べる視覚情報が
また別の視覚情報になってるみたいな
(視覚→視覚)の
聞いたことないパターンだったから
共感覚っていう言葉にはすぐには結びつかなかったんですけど
通常の感覚が、それと異なる感覚と同時に感じられるってことは…
これは、経験したかった共感覚なんじゃない!?と興奮しました。
でも、そう思うのと同時ぐらいに
っていう直感が自分の中にありました。
普通の感覚では
起こり得ないことが起きていることに気づいた瞬間
もう私の脳が
その幻を見せるのやめちゃう
みたいな
脳の誤作動なんだけど、もう、それを修正しました
みたいな
脳がカチリと切り替わったような気がして
「早く試したいけど、多分もう見れないな」
って感覚を抱きながら帰りました。
そして家に急いで帰って試しましたが
やっぱり見れませんでした。
それ以降、このゲームを遊んでも、モヤモヤが見えたことはありません。
というお話。
もうちょっとくわしく、どういう感覚だったかを説明すると
見え方は、AR がちょっと近いです。
カードの上に半透明のなんかもやもやとしたものがある
スマホ通してみると、画像が足されてる、あの感じ。
もしくは
白いカベとか、青い空を見たときに視界にモヤモヤ映る
ミミズみたいな、顕微鏡でみた植物の細胞みたいなやつ
っぽくもあります。
(今調べたら生理的飛蚊症っていうらしいです。眼球の中にある硝子体というゲル状の物質のはたらきが眼球の壁にある網膜に映って見える現象らしい)
違和感なく普通の視界と共存してる見え方が
むしろARよりこっちの方が近い感じ。
どうなんですかね。
これは共感覚だったんでしょうか。
共感覚あるよ!っていう人や
このゲームを遊んで同じような経験をした人がもしいたら
コメントいただけたら嬉しいです。
というわけで、私が共感覚っぽいものを感じたゲーム、「イリュージョン」の紹介でした。
ゲームとしてもおもしろいので、機会があれば遊んでみてください。