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惨劇Rooper
惨劇が起きるのを防ぐ主人公3人と、起こそうとする脚本家1人の3対1のゲームです。
非常に独特なゲームですが、トップクラスに好きなゲームです。
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初めて出会ったのは外国の人たちとゲームをしてるときに、メンバーの一人が4人ならコレやろうということで英語版tragedy rooperを出してきたとき。
それまでの私にとってボードゲームはドイツゲームのオシャレな知的遊戯、パーティゲームというイメージが強かったので、こういうアニメ絵な作品は興味がなかったんです。ボードゲームをあまり遊ばない友達のところへ持っていきづらいかなーと思って。
やってみてあまりに面白くてびっくり。
すぐに欲しいなーと探しましたが、日本語版で新品の流通は終わっていて、中古もプレ値。
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う~ん…どうしよう、と悩んでいたところ現在流通している5thが発売されて、喜んで小躍りしながら購入したのでした。
この作品以来、アニメ絵だろうが、萌え絵だろうが関係なく手を出してみるようになりました。もし当時の私みたいにパッケージで二の足踏んでいる方がいらっしゃいましたら、食わず嫌いせずやってみることをおススメします。
ざっくり説明
ボードはこちら
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すごーくシンプルに言えば、色々要素を足して複雑にしたオペラ座の怪人。
オペラ座の怪人は、双方のプレイヤーが盤面に手を加えて、その結果で怪人が出現するかしないかを発表。探偵側はカラーのコマたちの条件を分けて怪人かどうか検査する。怪人側はそれを邪魔するゲームでしたね。
惨劇ルーパーは、惨劇が起きてしまう条件がいくつかシナリオによって秘密裏に決められています。
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毎回両陣営が盤面に手を加えます。
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その結果、惨劇が起きるのか、起きないのか脚本家から発表されます。
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起きてしまったら盤面を最初のセットアップの状態(1日目)に戻して、初めからゲームを再開します。惨劇を起こさないように決められたラウンド(日数)生き残れば主人公側が勝ちというゲームです。
主人公3人は惨劇が起きてしまう条件を特定しようとする。脚本家は特定されないように邪魔をする。そのあたりのシステムは非常によく似ています。
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惨劇が起きたら世界の時間を1日目に戻してループさせて2ループ目の世界を始めることができる、という設定です。ループできる回数が決められていて、規定回数のループ内で最終日まで惨劇を回避できれば主人公側の勝ち。
オペラ座の怪人は考慮すべき条件は
「怪人のコマが他のコマと一緒にいるか」
だけでした。
惨劇ルーパーでは毎シナリオ、考慮すべき条件が変わります。しかもひとつだけではありません。いくつかが複合しています。
↓このようなリファレンスが配られます。
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毎ゲーム、ルールX、ルールYの中から1つずつルールが選択されています。
主人公側は分かりません。
たとえばルールYで「守るべき場所」が選択されていたら学校に暗躍カウンターが2つ乗っていれば惨劇が起きてループ終了。
また、「キーパーソン」「フレンド」が退場した場合も惨劇発生ループ終了、ということもリファレンスに書いてあります。ボード上の誰がどの役職かは秘密にされています。
ゲームの例
○日目のそれぞれの盤面の操作が終わった。
脚本家の発表。ループが終了した理由は明かされません。ただ「終了です」と告げるられるだけです。
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なので3人で相談します。
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こんな感じで相談して次のループでは条件を変えてループ終了の条件を特定していこうとします。
脚本家側は特定されないように動かすわけです。
どうやって盤面を操作するか。
ラウンドの初めに脚本家が3枚カードをプレイします。
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その後主人公が1枚ずつプレイします。
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カードの内容は
キャラクターの移動。
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各種カウンターの配置。
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カウンターのブロック。
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です。
それぞれ望む状況にさせないための心理戦が繰り広げられます。
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カードの効果を解決して
「てことはキーパーソンは別にいるんだ。そいつを守ろう。」と続くわけです。
これは初級者用で、基本ゲーム用はルールと役職が増えます。
とまあこんなゲーム。
感想
各キャラクターの役職が何なのか、ルールは何なのか、事件の犯人は誰なのか。
特定させたい、させたくない熱い心理戦が繰り広げられます。
ただ万人におススメできるゲームではありません。
・ルールが多くて初めてだと分かりづらい。
・長時間ゲーム インスト込みで3時間以上かかります。なかなか気軽にできません。
・4人限定
・脚本家の習熟度が必要 面白い心理戦のためには脚本家がシナリオを把握していないといけない。基本持ち主が脚本家。たまには主人公もやりたいです。
・足引っ張ってしまって楽しめない問題 ループの終了時しか相談できないので、奉行問題にはならないんですが、それとトレードオフでやロジックな謎解きが苦手な人は、そのときやるべきことが見えずに肩身が狭く感じて楽しめなくなることも。まあ失敗も楽しめればいいんですけども。
どれも、裏を返せばこのゲームの魅力でもあるんですけどね。
少なくとも一人は経験者がいたら分かりやすいかなーと思います。
ただ色々乗り越えた先にあるプレイは、他で味わえない面白さ。
ループ物の雰囲気をとてもよく表現していて、入り込んで熱中できるとてつもなく面白いゲームです。
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他バージョンは知りませんが現行の5thには書いてあるとおりにプレイすれば、流れがわかるようになっているプレイガイドもついていますので、興味のある方はチャレンジしてはいかがでしょうか?
追記
少し調べたらこちらのサイトで5~6人用ハウスルールが公開されていました。
これ凄っ!
上記のマイナスポイントほとんどクリアできますね!
主人公4,5人目用のカードは自作でもいけそうだし。
今度、4人以外でもやってみようと思いました。