国際連合の安全保障理事国をテーマにした交渉のゲーム。
ざっくりルール
毎ラウンド5色のコマが議題に上がります。
議長だけがコマに触れることができます。
ラウンドはじめに秘密裏に引いたチップでどの色がプラスかマイナスかそれぞれのプレイヤーごとに決まりますのでそれぞれの利害が生まれます。
コレなら黄色が可決で8点、青が可決で1点。
黒が可決でマイナス2点、赤が可決でマイナス4点。
砂時計が終わるか、議長が打ち切った段階で内側に入れられたコマが今回の発議されたコマです。
発議に対して全員で投票をします。
同数可決。
可決したらその結果によってプレイヤーそれぞれ点数が増えたり減ったりします。
発議が可決されたら議長はナイス裁定ということで5点もらえます。
投票結果に関わらず、だれでも拒否権を使用して結果を強制的に否決にすることもできます。ただし、拒否権使用はマイナス5点。
議長に自分にプラスのコマを発議してもらうために、またマイナスのコマを下ろしてもらうために、賄賂を払うことができます。
また、議長以外のプレイヤーには発議された内容に賛成して欲しい、反対して欲しいために、賄賂を払うこともできます。文句を言ってきそうな国には拒否権を使わせない調整の賄賂が必要なときもあります。
この賄賂は約束が履行されないと返してもらえます。
誰から何の約束でもらった賄賂だったのか記録しておくのがこちらの個人ボードです。得点チップに自キャラの顔チップを重ねて相手のボード上に置きます。
今回の発議に賛成するとロシアから2点もらえる約束。
もしくは否決に入れると中国から3点もらえる約束。どちらかはもらえませんね。
ちなみに実際に発議が可決したか否決したか、結果は問われません。
今回の場合たとえ、発議自体が可決したとしても、自分が否決に投票していれば中国から3点もらえます。
議長パターン。緑を発議に入れなければロシアから2点もらえる。赤を入れたら中国から3点もらえる。
ラウンドごとに大事なのはコマの色。
コマに書いてあるマークはゲーム終了時に計算します。
誰がどのマークによって加点されるかはゲームの開始時にタイルで引いて秘密にしておきます。
議長を輪番で規定ラウンドやってもっとも高得点が勝者です。
感想
大人3人、甥っ子の小学生1年生、3年生の2人でプレイ。
最後に計算するコマのマークは無視して毎ラウンドの得点計算のみに、ルールを少しだけ簡単にしたら意外と遊べました。
子供たちがめちゃくちゃ盛り上がってました。
約束を守る大切さみたいなことを学んでくれればいいなーなんて小賢しい教育的効果を望みましたけど、結果は全然そんなことにはならず笑。
むしろ議長になったときの「大人も触れないコマ」を操る権力に酔ってましたね笑。
この交渉力おそるべし
「黄色入れて欲しいの?じゃあ、わいろ5点ちょうだい!」
子供にとって悪いことって楽しいですよね~。
誰が何を望んでいるのかを読み取って駆け引きを楽しんでいました。
やっぱり議長が一番儲かることが多いです。他プレイヤーの得点の偏り次第ですごい量の賄賂が集まることもあります。
「わ~こんなに増えた!」
この成功体験が、人や物を統べるポジションへの野心を育てたとしたら…
どう評価するかは教育方針によりますね笑
一人一回議長をやった後、子供2人はもう一回やりたいというのでもう一回ずつ議長をやって終了。
これはアクション交渉ゲームの名作。時間制限があってあわただしい交渉が求められますので、じっくりというより、テンションで契約が決まる場面が多いことは大人同士でプレイしても同じです。賑やかさはピットに似てます。簡単にすれば小学生でも楽しめるシンプルなルールだし、見た目以上に軽くてとても盛り上がるゲームです。たとえば、時間切れ時にひとつもコマが発議されていないケースでは、可決されても議長の5点ボーナスなしでひとつのコマだけ選んで発議をするなど、しっかり決めるべきところは決まっているので、自由度が高いゲームですが意外と破綻せずバランスのいいゲームでもあります。考えどころもちょうどいい具合にあって、立場の異なるもの同士の利害調整の勉強に子供にも大人にももってこいなのではないでしょうか。テーマやシステムが似ているゲームも他に持っていませんし、結構お気に入りです。