ブルームーンシティ
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210517013804.jpg)
カードゲーム「ブルームーン」の世界観で、荒廃した都市を再建するテーマのゲーム。2人から4人。30分ー50分。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-29.jpg)
ざっくりルール
これがマップ。
荒れはてた建物たちを直していくゲーム。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-1.jpg)
●ターンでやること「移動と修繕」
自分のターンでは2歩まで動ける。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-2.jpg)
移動した先で
こういう手札をプレイして
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-3.jpg)
マップタイル上の数字マスを埋めていく。
コストを払ってこわれた建物を一部直したという設定。
1ターンに埋められるのは1マス。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-4.jpg)
数字マスがすべて埋まったら、建物の修繕完了。タイルが裏返る。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210515231705.jpg)
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-18.jpg)
修繕完了!
●建物が完成したらもらえる報酬について
マスを埋めたすべてのプレイヤーが報酬をもらえる。
いちばん多く貢献していた人はそれとは別にボーナスをもらえる。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-12.jpg)
置いているマーカーが同数のときは左優先。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-8.jpg)
完成して裏返ったタイルは、それで役目が終わりではなく
上下左右に接するタイルの報酬を増やしてくれる。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-11.jpg)
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-10.jpg)
後半になるにつれて、もらえる報酬が増えるので、展開が一気に早くなる。
●ドラゴンについて
でもこういうルールだと
誰かが先に高い数字コストを埋めたタイルに
自分が後から行って完成を手伝っちゃうと
相手が貢献ボーナスをもらって有利になっちゃうから
後追いは不利?
基本的にそれぞれ別のエリアのマップタイルを
ひとりで完成させようとして
ゲームが停滞しちゃう…のかな?
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-13.jpg)
それを解決するのがドラゴンフィギュア。
カードプレイで移動させることができる3種類のドラゴン。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210515232005.jpg)
ドラゴンがいるタイルのマスを埋めると、うろこがもらえる。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-14.jpg)
うろこはたくさんもっていると、後で大量にクリスタルをもらえる。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210515232159.jpg)
ドラゴンを動かすカード↓
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210515232133.jpg)
建物を修理する数字コストとしてプレイせずに
自分のターン中に上部の特殊効果としてプレイすれば
ドラゴンを動かすことができる。
これで、おトクな建物タイルと、そうでない建物タイルで差が生まれて
人が集まるゾーンが出てくる。
さきに来たプレイヤーがわざわざカードを消費してドラゴンを呼び寄せてくれているので
後追いのプレイヤーにも参加するモチベーションが生まれる。良いルール。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-15.jpg)
●カードの特殊効果
ドラゴンを動かすだけでなく
各色のカードにはそれぞれ特殊効果がある。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-17.jpg)
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210516001411.jpg)
●勝利条件とゲームの終わり方
報酬のクリスタルは持っているだけでは意味がない。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210516150256.jpg)
中央のオベリスクに戻ってきて
1ターン使ってささげないと意味がない。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-16.jpg)
1ターンで置けるのは1個まで。
4人ゲームなら4個、クリスタルをささげた人が直ちに勝利。
早くいけばいくほど安く
後の方になるほど高い。
安いうちにこまめに払いに行くのがいいのか
じっくりためて、あとでまとめて払うのがいいのか
毎ターンやりたいことがあるゲームなので
いつオベリスクに行くのかが悩ましい。
そんな感じのゲーム。
感想
ちょっと欠点があっても
一点突破するくらいの強みをもった人
って人目を惹きますよね。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-21.jpg)
彼ら、彼女らに注目は集まりがちなんだけど
実はその背後に
「平均以上のいいところ」をたくさん持った人
がいたりします。
でも、そういう人って
ぜんぜん目立たないんですよねー…。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-20.jpg)
ボードゲームにも同じようなことがありまして。
多少、あらけずりの所があっても
なにかひとつ、そのゲーム独自のキラリと光るものを1つもっているゲーム
はレビューも書きやすいし
セールスポイントも伝えやすいので
プレイのようすや、ルール紹介などの情報が増えて
人の目にとまり、プレイされて、愛されて、ファンもついていくのですが
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-22.jpg)
いくつもいいところはあるのに
受賞歴や、個性的なワンポイントなど
とびぬけた売りがないために
ボードゲーマーのアンテナに引っかからず
埋もれてしまっている秀作ゲーム
はけっこうあります。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-23.jpg)
「ブルームーンシティ」はそんな不遇の優等生のひとつ。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/IMG20210517013804.jpg)
定番ボードゲームとして名前が上がることはほとんどないですけど
遊べば、けっこう面白いですよ、このゲーム。
お客さんが我が家に泊まっての2泊合宿で出したんですけど
一晩目に遊んで
二晩目にも「昨日のゲーム、もっかいやろうか」となりましたからね。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-24.jpg)
たくさん遊ぶゲームがある中で、次の日もおかわりされるって、めずらしいです。
ほうみ的ブルームーンシティの好きなポイントは
①カードの使い道になやむ!
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-25.jpg)
カードとにらめっこで、作戦を立てるのは楽しい。
②オベリスクのジレンマ
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-26.jpg)
これはチケライの「いつ飛び出すか」ジレンマに似ています。
チケライはカードを貯めすぎると、相手に路線を取られてしまいます。
ブルームーンシティではクリスタルを貯めすぎると、相手にオベリスクの安いマスを先に埋められてしまいます。
安いマスを埋められてしまうと、想定していたより多くのクリスタルが必要になります。
自分が勝利するためには全部で何個のクリスタルが必要なのかは、相手プレイヤーの動きしだい
なので、いつまでクリスタル入手に費やすべきか、毎ゲーム悩みます。
完成した建物の隣接ボーナスによって、ゲーム展開は終盤に急加速するから
稼ぎすぎには注意です。
「使い切れないクリスタル持ちすぎ」っていうのが負けパターンです。
③リプレイ性高し
タイルを並び替えてボードを作るので、新鮮な気持ちで遊べます。
適当に置いても、「このエリア強すぎる!」などの破綻なく遊べるのは
↓の画像の赤の部分のタイルは、決められた4枚のベースタイルを混ぜて配置するからです。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-27.jpg)
これも良いアイデア。
④ソロゲー感が薄い
タイル配置してボードを作るゲームって
「効率的なルートさがし競争」になることがありますが
このゲームはそうはなりません。
どこの建物が先に完成して、どうボーナスがつくのか?
ドラゴンがどこに移動するのか?
オベリスクのマスが埋まりはじめるタイミングは?
など
盤面の変化に対する
他プレイヤーの動きの影響が、あまりに大きいからです。
相手の動向をうかがいまくりです。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-28.jpg)
まあ、ソロゲーはソロゲーで好きなんですけど
ブルームーンシティに関しては、この
「無言で語り合う」
っていう雰囲気が好きです。
他にも
「直接攻撃無しで遊びやすい」
「時間も手ごろ」など
いいところいっぱいのゲームなんですが
残念ながら、「このゲームだけ!」っていう長所はないんですよね。
なので、なかなか良さを伝えることが難しいんですが
平均以上の長所がいくつも組み合わさった、確かな面白さを持ったゲームなので
興味が出た人は遊んでみてください。
「王と枢機卿」みたいな、木コマの渋いゲームが好きで
そういうの探している人にはささるんじゃないかな、と思います。
あー、えらく褒めたけど
あった!
欠点っていうか、言いたいこと。
まず、カード、タイルの色が見分けづらい!
よく言われるけどこれはホントそう。
あと、事情はあったんだろうけど
イラストは、「ブルームーン」のイラストの方が10倍良かった。
![クニツィアの隠れた名作「ブルームーンシティ」ボードゲームレビュー](https://boardgamemap.com/wp-content/uploads/2021/05/ブルームーンシティ-29.jpg)
まあね、そこら辺に目をつむっても、一度はどこかで遊んでほしいゲームです。