ブルームーンシティ
カードゲーム「ブルームーン」の世界観で、荒廃した都市を再建するテーマのゲーム。2人から4人。30分ー50分。
ざっくりルール
これがマップ。
荒れはてた建物たちを直していくゲーム。
●ターンでやること「移動と修繕」
自分のターンでは2歩まで動ける。
移動した先で
こういう手札をプレイして
マップタイル上の数字マスを埋めていく。
コストを払ってこわれた建物を一部直したという設定。
1ターンに埋められるのは1マス。
数字マスがすべて埋まったら、建物の修繕完了。タイルが裏返る。
修繕完了!
●建物が完成したらもらえる報酬について
マスを埋めたすべてのプレイヤーが報酬をもらえる。
いちばん多く貢献していた人はそれとは別にボーナスをもらえる。
置いているマーカーが同数のときは左優先。
完成して裏返ったタイルは、それで役目が終わりではなく
上下左右に接するタイルの報酬を増やしてくれる。
後半になるにつれて、もらえる報酬が増えるので、展開が一気に早くなる。
●ドラゴンについて
でもこういうルールだと
誰かが先に高い数字コストを埋めたタイルに
自分が後から行って完成を手伝っちゃうと
相手が貢献ボーナスをもらって有利になっちゃうから
後追いは不利?
基本的にそれぞれ別のエリアのマップタイルを
ひとりで完成させようとして
ゲームが停滞しちゃう…のかな?
それを解決するのがドラゴンフィギュア。
カードプレイで移動させることができる3種類のドラゴン。
ドラゴンがいるタイルのマスを埋めると、うろこがもらえる。
うろこはたくさんもっていると、後で大量にクリスタルをもらえる。
ドラゴンを動かすカード↓
建物を修理する数字コストとしてプレイせずに
自分のターン中に上部の特殊効果としてプレイすれば
ドラゴンを動かすことができる。
これで、おトクな建物タイルと、そうでない建物タイルで差が生まれて
人が集まるゾーンが出てくる。
さきに来たプレイヤーがわざわざカードを消費してドラゴンを呼び寄せてくれているので
後追いのプレイヤーにも参加するモチベーションが生まれる。良いルール。
●カードの特殊効果
ドラゴンを動かすだけでなく
各色のカードにはそれぞれ特殊効果がある。
●勝利条件とゲームの終わり方
報酬のクリスタルは持っているだけでは意味がない。
中央のオベリスクに戻ってきて
1ターン使ってささげないと意味がない。
1ターンで置けるのは1個まで。
4人ゲームなら4個、クリスタルをささげた人が直ちに勝利。
早くいけばいくほど安く
後の方になるほど高い。
安いうちにこまめに払いに行くのがいいのか
じっくりためて、あとでまとめて払うのがいいのか
毎ターンやりたいことがあるゲームなので
いつオベリスクに行くのかが悩ましい。
そんな感じのゲーム。
感想
ちょっと欠点があっても
一点突破するくらいの強みをもった人
って人目を惹きますよね。
彼ら、彼女らに注目は集まりがちなんだけど
実はその背後に
「平均以上のいいところ」をたくさん持った人
がいたりします。
でも、そういう人って
ぜんぜん目立たないんですよねー…。
ボードゲームにも同じようなことがありまして。
多少、あらけずりの所があっても
なにかひとつ、そのゲーム独自のキラリと光るものを1つもっているゲーム
はレビューも書きやすいし
セールスポイントも伝えやすいので
プレイのようすや、ルール紹介などの情報が増えて
人の目にとまり、プレイされて、愛されて、ファンもついていくのですが
いくつもいいところはあるのに
受賞歴や、個性的なワンポイントなど
とびぬけた売りがないために
ボードゲーマーのアンテナに引っかからず
埋もれてしまっている秀作ゲーム
はけっこうあります。
「ブルームーンシティ」はそんな不遇の優等生のひとつ。
定番ボードゲームとして名前が上がることはほとんどないですけど
遊べば、けっこう面白いですよ、このゲーム。
お客さんが我が家に泊まっての2泊合宿で出したんですけど
一晩目に遊んで
二晩目にも「昨日のゲーム、もっかいやろうか」となりましたからね。
たくさん遊ぶゲームがある中で、次の日もおかわりされるって、めずらしいです。
ほうみ的ブルームーンシティの好きなポイントは
①カードの使い道になやむ!
カードとにらめっこで、作戦を立てるのは楽しい。
②オベリスクのジレンマ
これはチケライの「いつ飛び出すか」ジレンマに似ています。
チケライはカードを貯めすぎると、相手に路線を取られてしまいます。
ブルームーンシティではクリスタルを貯めすぎると、相手にオベリスクの安いマスを先に埋められてしまいます。
安いマスを埋められてしまうと、想定していたより多くのクリスタルが必要になります。
自分が勝利するためには全部で何個のクリスタルが必要なのかは、相手プレイヤーの動きしだい
なので、いつまでクリスタル入手に費やすべきか、毎ゲーム悩みます。
完成した建物の隣接ボーナスによって、ゲーム展開は終盤に急加速するから
稼ぎすぎには注意です。
「使い切れないクリスタル持ちすぎ」っていうのが負けパターンです。
③リプレイ性高し
タイルを並び替えてボードを作るので、新鮮な気持ちで遊べます。
適当に置いても、「このエリア強すぎる!」などの破綻なく遊べるのは
↓の画像の赤の部分のタイルは、決められた4枚のベースタイルを混ぜて配置するからです。
これも良いアイデア。
④ソロゲー感が薄い
タイル配置してボードを作るゲームって
「効率的なルートさがし競争」になることがありますが
このゲームはそうはなりません。
どこの建物が先に完成して、どうボーナスがつくのか?
ドラゴンがどこに移動するのか?
オベリスクのマスが埋まりはじめるタイミングは?
など
盤面の変化に対する
他プレイヤーの動きの影響が、あまりに大きいからです。
相手の動向をうかがいまくりです。
まあ、ソロゲーはソロゲーで好きなんですけど
ブルームーンシティに関しては、この
「無言で語り合う」
っていう雰囲気が好きです。
他にも
「直接攻撃無しで遊びやすい」
「時間も手ごろ」など
いいところいっぱいのゲームなんですが
残念ながら、「このゲームだけ!」っていう長所はないんですよね。
なので、なかなか良さを伝えることが難しいんですが
平均以上の長所がいくつも組み合わさった、確かな面白さを持ったゲームなので
興味が出た人は遊んでみてください。
「王と枢機卿」みたいな、木コマの渋いゲームが好きで
そういうの探している人にはささるんじゃないかな、と思います。
あー、えらく褒めたけど
あった!
欠点っていうか、言いたいこと。
まず、カード、タイルの色が見分けづらい!
よく言われるけどこれはホントそう。
あと、事情はあったんだろうけど
イラストは、「ブルームーン」のイラストの方が10倍良かった。
まあね、そこら辺に目をつむっても、一度はどこかで遊んでほしいゲームです。