キルドクターラッキー19.5周年完全版
チーパスゲームズの名作ゲームが19.5周年記念として再販。中途半端な年数!肩肘張ってない感じがオサレですね~。原版はお目にかかることがなく遊ぶ機会がなかったので購入してみました。
ざっくり説明
数々の人の恨みを買っているDr.ラッキーを最初に殺したプレイヤーが勝ち。
みんながそれぞれ手を下したいと思っているので、他の人のチャレンジには邪魔をします。
邸宅を動き回るDr.ラッキーを殺すには、部屋で2人きりになり、かつ、誰からも見られない必要があります。
両方の条件をクリアしたら武器カードをプレイしてチャレンジ。
他の人はカードをプレイして阻止します。
阻止されたらカード1枚裏返して置いておき、もとからもっている攻撃力(殺意)が増えていきます。
だんだん成功率が上がっていき、他のプレイヤーが阻止できなくなったら殺したプレイヤーの勝利!
前作との変更点
前作は未プレイです。他の方のレビューなどから確認できる変更点。
・殺害を挑戦して失敗させられたら、トークンでなくカードを裏返して攻撃力が上がったことをあらわす。
・他の人の殺害の阻止に裏返したカードは使えない。
・移動カードはDr.ラッキーでなく、自分だけがワープするのに使う。
・山札が切れたら補充なし。視線が通っていても挑戦できるようになる。
・あとはペットと、Dr.ラッキーがよみがえって襲ってくるヴァリアントが付属。
プレイのようす
ほうみ、タイ太郎、スペ君の3人でプレイ。
人数が少ないときは両翼の部屋をカードで隠します。
手番では一歩はタダで動けて、もっと動きたければ移動カードをプレイ。
その後、Dr.ラッキーと二人なら殺害挑戦できる、二人きりじゃない、したくない場合はカードを引いて手番終了。
手番の最後にDr.ラッキーは決められたルート(部屋番号の小さいものから大きいものへ)で移動します。
Dr.ラッキーが移動してきた部屋に一人でいた場合、通常の手番順を無視して、そのプレイヤーの手番になります。3人プレイ時は使うのは14部屋。
コレがどういう状況を生み出すかというと…
たとえばほうみ→タイ太郎→スペ君という順番で、
タイ太郎とスペ君、そしてDr.ラッキーが1にいて、
ほうみが2に移動してカードを補充して手番終了したとする。
するとDr.ラッキーが2に移動してきて、またほうみの手番。
ほうみ3に移動してまたカード補充。
Dr.ラッキーが3にまた、ほうみの手番。
カード補充して4に移動して…
長ーいループが発生して、ほうみにかなりのカードを蓄えられてしまいます。カードが多ければ必ず勝てるわけじゃないけど、敵の邪魔もできるし、移動もできるし、武器は特定の部屋で使うと攻撃力が上がるので、その選択肢も増えます。一人にカードが集まることは当然有利な状況を作り出します。
でももし、ほうみが調子に乗って、14の部屋を越えてDr.ラッキーをついてこさせて、大量のカードをゲットすると
複数プレイヤーがいるのでスキップが終わり
次のタイ太郎が同じくらい走ってしまいますよね。だから5あたりで止まってタイ太郎を走らせ過ぎない選択をするわけです。
5で殺害挑戦して、阻止されて攻撃力を1上げておく。
タイ太郎は6でDr.ラッキーを待ち構えたとして、どこまで行くか迷います。もしカードがもらえるぎりぎりまで行くと、次のスペ君は少しだけ走り、またもほうみが長く走ってしまうかもしれません。
じゃあ、ほうみを止めるためにはコレくらいか・・・?
そしたらスペ君は…
そんな風に、互いにけん制しあいながら、自分の移動場所を決めていきます。このあたりの読み合いが熱いです。
(2022/1/16追記)
うさぎさんよりご指摘ありました通り、博士に見られていても連続ムーブは終わるので文中のような連続ドローは成立しない、ことが判明いたしました。大変失礼いたしました。正しいゲームの流れは文末に版元のプレイ動画を、文末にのせておきますのでご参考ください。
また、誰かの殺害挑戦に対して、基本的に阻止するのは下家。もうそこで食い止めないと手番プレイヤーが勝利してしまうので、原則、カードを吐き出す役回りです。でも、あまりに絞りすぎると、本当に下家が持ってなくてうっかり敗北、というのもありますので、そのあたりの駆け引きも重要。
終盤、デッキが切れて手持ちだけの勝負になりますので、他プレイヤーがどの程度邪魔カードを持っているか、自分の強力な武器を、どうやったら該当の部屋で使えるときに、自分の手番に回すことができるか。それぞれ知恵を絞って、ゲームが収束していきます。
このゲーム、次の盤面がどのように変化しているか、未来をイメージするのが非常に大事です。得意な人はめちゃくちゃ得意です。スペ君は理系な人で、未来を場合わけしてイメージして、最善手を打つのが人より2倍も3倍も早く、初見で盤面を支配していましたね。私は出たとこ勝負派、何度かトライエラーを繰り返して相場勘を得ていくタイプなので、致命的なミスもしばしば。他のプレイヤーに長いランをプレゼントし、自分は全然カードを引けないという状況も多々生まれてしまいました。
とはいえ、最後にどんなカードをそれぞれが持っているかで勝負が決まるので、読みきれない部分が多いみたいです。2ゲームやって、勝者は何故かほうみとタイ太郎でした。完全にスペ君のペースで大量にカードも保有していたのですが、移動カードに偏ったみたい。。。
感想
頭の使い方が他の色々なゲームと異なります。そりゃそーだ、なんですが。際立って特異に感じました。モダンアートみたいな競りでもないし、拡大再生産でもないし、タイル配置系とも違う。他の人の動きが大事って言う部分ではブレーキングアウェイとか、80日間世界一周とかのレース系に似ていますけど、プレイ感はそれとも違う。これらは手番は必ず回ってきますからね。もっとバッチバチという印象。このガチな印象は旧版ではDr.ラッキーを移動カードでワープさせることができたのに対して、19.5ではプレイヤーのワープにしか使えなくったせいなのでしょうかね。
プレイヤー間の直接攻撃はないような作りのゲームですけど、実はある、といっていいんじゃないでしょうか。というのも、プレイ中は、自分以外のどちらに害する行動をとるか選ぶ場面がよくあるんですよ。ダメージを与えるのがライフとか勝利点じゃなくて、手番という権利にダメージを与えている。飛ばされると何もできないので悲しい。
2回のプレイでは、作戦を立ててうまくはまって気持ちいい!という感じは受けませんでした。もっと経験を積むと読み合いが楽しくなっていくゲームなのかなーという印象です。遊ぶメンバーによるのかなー。カードの内容は笑えますけど。
2022/1/16 追記
はじめまして。たまたまググってここに辿り着きました。
ゆるめの挿絵でわかりやすく楽しく拝見致しました。
マニュアルに
◆アクション
◇「カードを引く」
『あなたがラッキー博士を含めて誰にも見られない部屋にいるなら…』
っとあるので、文中のような連続ドローは成立しないのではないと思うのですが、如何でしょうか?
ホントだッ!!
ずっと勘違いしておりました。
確かにこの動きは起きませんね…
ご指摘ありがとうございます!
温かいご感想もありがとうございます!