タイムストーリーズ
タイムトラベルが可能になった近未来。時間の流れが悪意をもって変えられて生み出された、平行世界や、時間の歪みをエージェントになって解決するというゲームです。
ジャンルは謎解き。謎が解ければ、2度は遊べません。
誰とどこで遊ぶか迷って、なかなか開けられず寝かせていましたが、ようやく遊ぶことができました。
ざっくり説明
1回クリアしたら終わりが原則のゲームなのでネタバレ厳禁。
だから今回は出来るだけネタバレなしでお伝えします。
我々4人は近未来のエージェント。
過去に精神だけを飛ばして、その時代の誰かに乗り移り、問題の解決を目指します。
与えられる情報は
「時間をゆがめる何かまずいことが起こっているようだが、それが何かは分からない。調査と解決が君たちの仕事だ」
って感じ。ワクワクです。
4人で精神だけ過去に戻ってミッションスタート。
その時代に与える影響を最小限にするため、過去に送るのは精神だけ、という設定
全員で同じ場所を調査します。
ここは十分だね、となったら全員で移動。
満足するまで調査→移動→満足するまで調査→移動、を繰り返します。
過去に滞在できる時間に限りがあります。
上限を過ぎたら今回の冒険はそこまで。タイムオーバーです。
余計だった行動や、次回は行かなくていい所、行くべき所、など前回の反省をします。
そしてまた未来から精神を飛ばして、始めから再チャレンジ。
絞ってここまでこれた
行動を精査しているのでもっと深く、遠くまで情報が集められて、また時間が無くなって・・・
を繰り返すのが基本的な流れ。
これで時間ループしてる感じを表現しようとしているんだけど、正直イメージしていたループ感は感じなかったです。
ただコンテニューを繰り返してる感じ。別にそれでも面白いんだけど、ループ感とは違ってました。
やっぱり時間ループは「恋はデジャヴ」とかの印象が強いから、
「強制的に戻ってしまう絶望感」がないとループ感は感じないのですね。
タイムストーリーは仕事として自発的に過去に戻るので、強制感がないのです。
その点惨劇ルーパーは良かった。
初期セットアップからやり直すっていう、やってることは変わらないけど、設定によって感じ方が違うっていうのが面白いですね。
調査はどうやるか。
今いる場所はカードが並べられてあらわされます。
こんな感じ。
調べるところに自コマを置く。1ターンにカード1枚見られる
んでそれぞれがどこを調べるか決めたら、調べる人だけがそのカードを見ます。
カードをめくると、新しい情報やアイテムが手に入ったり、ダイス判定が待っていたりします。
それで1ターン分過去にいられる時間が減ります。
情報共有には
・違うところを調査している人にカードは見せてはいけない。
・人の台詞などは丸々朗読するのでなく、聞いてきたように自分なりに要約して伝えるのが望ましい。
という縛りがあります。
これがいい感じに、コミュニケーションの活性化やすれ違いを生みます。
今回ほうみ達はホワイトボードがある場所でプレイできたのですが、それがとても良かった。ホントおすすめします。
まるで一人ひとりが刑事になって情報を集めて、持ち寄って、
ホワイトボードに断片的な情報が集まって、
人間や出来事の相関図が書かれていって真相に迫っていく
っていう「相棒」とか「科捜研~」みたいな刑事ドラマによくある光景を、
自分の体験としてできるのが、もうめっちゃくちゃ楽しかった。
ホワイトボード上で遊ぶホワイトボードゲームだったといってもいいくらい。
んで、1回では当然クリアできないので、ループしますよね。
2回目で、たとえばある場所のカード1枚だけが未調査な状況。
場所移動は全員でしなきゃいけないので、他の3人も同じ場所で1ターン費やさなくてはならない。
そうなると、前回この場所はタイ太郎が見たから見る必要は無いんだけど、どうせならほうみも見ておこうかーとなったりする。
すると、違う視点で、前回見た人が気づかなかったことを気づいたりするんですよ!「え?これスルーしてたけど重要なんじゃない!?」とか。
個人の前知識や、視点の違いが、またいい感じに障壁になっていて面白い。
口頭で説明されてた状況が自分の目で見たら、全然違うんです。それがまた盛り上がる。
ダイス判定に関しては、成功すると先に進めたり、アイテムを手に入れたりします。
自分の意識を飛ばすキャラが複数用意されていて、
・力判定強いやつ
・器用さ判定に強いやつ
・交渉力判定に強いやつ
などいますので、
「前回ここで詰まったからこういうキャラ入れていこう」というような考えどころもあります。
特殊能力含めてキャラはすごい個性的。
めちゃ役に立つパラメータだけど、カード調査は誰かと一緒に動かないといけないキャラとか、色々いて楽しいです。
そんなルールで、エージェント気分で情報を集めたり、課題に立ち向かったり、協力しながら謎を解いていきます。
感想
同じく一回こっきりの謎解きゲーム「アンロック」と比較すると、
アンロックは、flashとかで作られた脱出ゲームを、みんなで力を合わせて遊ぶ感じ。
ひらめき的な謎の量はアンロックの方が多いです。
タイムストーリーズは調査とか判定とかにもボリュームが割かれているので、謎解きの量はちょっと少ないんだけど、でもクリア後の満足感はタイムストーリーズの方がありました。
アンロックも皆でひとつひとつの謎に取り組むんだけど、やっぱり得意、不得意あるから、特定の人の活躍が続くっていう展開がたまにあります。
タイムストーリーズは情報が分散して与えられるので、全員に役割があり、全員参加しているのを強く感じます。
私たちはプレイ時間4時間半。
ノーヒントでエンディングまでたどり着きました。
ホワイトボードと盤面をにらめっこしながら、
知恵と力を合わせて謎に取り組んだ4時間半。
クリア後の、達成感っていうかやりきった浮遊感っていうか、
今年プレイしたボードゲームの中で1番楽しい体験だったかもしれない。
他の何度も楽しめるボードゲームと比べるのはどうなんだろうとは思います。
気持ち的には、映画館に映画観に行くのと、家でテレビ番組観るのと同じくらい違いがありますので。
1回限りとなるとやっぱり心への響き方は違いますよ。
それにしても、とにかく面白かった。
しかも最後の最後まで楽しませる仕掛けが本当に素晴らしい。
これはまた集まって是非拡張も遊ぼう!となりました。
ワンプレイ5000円を高いと見るか安いと見るか。
大人4人で3~4時間、これだけの体験が出来て一人1250円だったらほうみ的には安かったかなと思います。拡張はもうちょっとリーズナブルです。