ざっくり説明
毎回タイルを引いて自動生成されるダンジョンを最深部まで進み、ドラゴンの住処でもある宝物庫から宝物を奪取して無事に戻ってくることを目指すゲーム。生還率10%の激カラ設定からマゾゲー、カードに頼ったシステムから運ゲー、アメゲーなどと呼ばれる本作ですが、我が家ではファンタジー気分を味わいたいときに時々思い出したように遊ばれるお気に入りのひとつです。
生還の難易度の高さは色々なところで語られるとおりで、ダンジョンに入って一歩目で無慈悲な罠によって退場することも珍しくありません。モンスターにHPを削られ退場、ドアから槍が出続け退場、更なる地下迷宮に落ちて敵にボコられ退場、日没までに入り口に戻れずタイムアップで終了、生還率10%はダテじゃありません。
なので、このゲーム、勝負として成り立たせるのが難しいゲームでもあります。
①1回勝負では、片方がすぐ退場した場合本当につまらない。生き残った方が入り口付近で小銭を稼いで生還して勝っても、まったく面白くない。かといって数千ゴールド稼いだとて別に面白くない。
②「今回は3回勝負ね!」などと冒険回数を決めて遊んでもムラはある。ある程度盛り上がりどころのある冒険があったときは面白いが、即効で3回で終わることもある。あっさり終わったからといって、最初に決めた回数以上、4回5回と増やしてしまうと、入り口付近をうろうろ小銭集め低リスク作戦が意味がなくなる。結局、最奥まで突っ込んで、帰ってこれるかを競う運ゲーになる。
というわけで我が家では「90分か120分の時間制限ルール」で遊んでいます。
21時にゲームを始めたら、22時30分回った時点のゲームが最終ゲーム。それが終わった段階での累計ゴールドで勝敗を決します。
この方式だと2~4回ほど回せます。あっさり終わっても、次のゲーム、次のゲームと時間内なら繰り返せますので、1度は内容の濃い冒険が生まれます。盛り上がらず終わることがなくなり、満足度が高いです。
複数回の累計勝負なので、「今から宝物庫に行っても間に合わないだろう。いったんここは小さい額でも取っておこう」というような判断も発生します。
どんなに負けていても、最後の一回で逆転の可能性もあるので、90分ワクワクしながら楽しんでいます。
好きな所
ほうみ的ダンジョンクエストの大好きポイントは2点。
①「回転する部屋」のタイル
これはキャラクターが入ると180度回転する部屋です。
別に普通の廊下と一緒ジャン、と思いますよね?
このタイルの真価が発揮されるのがこんな状況。
同じルートを通って帰ろうとするほかプレイヤーがいた場合
この絶望感がいいですね。ギミックもダンジョンぽいです。
数ターン後に、遅れたプレイヤーに待ち受ける運命を悟ったときの生存者たちの争奪戦が熱いです。
2回行動できるルーンや、3回行動できる秘法、もしくは通廊を利用して(通廊はもう1度移動できる)複数マス移動を狙ったりして、熱いレースが巻き起こります。
ダンジョン内で、キャラクター間のインタラクションは実はほとんどないので、色々なドラマを生み出してくれるところが好きなタイルです。
②カタコンベシステム
ダンジョンクエストにはカタコンベ(地下墓所)システムがあります。一本橋を渡るのに失敗したとき、罠で地下に落とされたとき、地下につながる階段を見つけて降りることを選択したとき、自分の冒険者フィギュアをチップに置き換えて、地下のカタコンベ探索に入ります。
カタコンベに下りている間、脱出するカードを引き当てるまで、自分のターンが来たら、通常の移動の代わりにカタコンベカードを1枚ずつ引きます。そして、脱出までに引いたカードの枚数、チップを進め、さらにそこからダイスを振って決まったマスの通常階層のダンジョンに帰ってきます。
カタコンベカード、ロクでもありません。ガンガン体力は削られ、運が悪いと全然出口のカードも引けません。ただ、宝物庫にある宝以上の宝物が非常に低確率(40分の1)ですが入っていたりもします。宝物庫やゴールまでの道が閉ざされたとき、一か八かで、もぐったりします。
ただ、このカタコンベシステム、文字通り、このゲームに深みを与えています。
別のボードがあるわけじゃないし、単なるカードとサイコロだけで作られているだけですが、本当にそこに空間があるような気がしてきます。
いつもの食卓の裏側に無限の地下空間をイメージさせるのですから、面白いなあと思います。
感想
このゲーム、運の要素が高いゲームであることは確かですが、「探索カードの構成」を意識しているかしていないかで、だいぶ面白さが変わります。
プレイヤーは移動の代わりに、今いる部屋を1回だけ探索できます。そのとき引くのが探索カード。内容は、10ゴールドとか70ゴールドの小銭だったり、モンスターからダメージを受けたり、罠が発動したりなんですが、30枚中8枚が「秘密の扉」というダンジョンタイルの形を無視して隣の部屋に移動できるカードが入っています。秘密の扉を引く確率は26.6%。なかなかの数字です。これを知っていると、ダンジョンクエストにありがちな、行き止まりで遠回りさせられて時間切れで終了、のような状況を回避できる可能性が出てきます。果たして遠回りしたほうがいいのか、それともワンチャンス探索にかけるか、そういった選択肢で悩む状況も生まれます。
我が家では、時間制限ルールの導入と、ほうみとタイ太郎、双方が探索カードの内容を大体知っているという状況になってから、ダンジョンクエストが定期的に遊ばれるようになりました。雰囲気だけでなく、勝ち負けにこだわるゲームとしても面白いですよ。