まだシュリンクも開けていないゲームが駿河屋で値段が下がっていくのを見ると切ない気持ちになるのはほうみだけでしょうか。
今回はそんな積みゲーを消化しようと「カタン・ゲームオブスローンズ」を遊んでみました。
ゲームオブスローンズはファンタジー世界の覇権争いを描いたアメリカで大ヒットしたドラマシリーズ。その重厚な世界観と次エピソード見ずにおれないっていうくらいのストーリー展開に夫婦でどハマりしましてタイ太郎と夜な夜な視聴にふけっています。
ざっくりルール
本家カタンとの違い
・ボードタイルの並べ方が違う
こんな感じ。
壁が存在します。
・壁の北から野人が侵攻してくる。
野人は通路に一旦ストックされ、
通常ダイスと一緒に振られる野人ダイスで規定の目が出ると、こちら側に侵攻します。
3回侵攻を許すとゲームオーバー。一応その時点の発展具合で勝敗をつけますが、あくまで悲劇的勝利といって、完全勝利ではないという位置づけ。
野人のストックのタイミングは、町や都市を建築したとき、最大騎士力、最大交易路が移動したとき。
規定のダイスが出たときに壁の上に「守人(もりびと)」を配置していると侵攻を防ぎます。守人は「木、レンガ、羊」でそれぞれのプレイヤーが派遣します。
壁下にたまる野人の侵攻を防ぐには同数以上の守人が必要です。
ゲームが進んでプレイヤーが町、都市を建造すればするほど、野人が増えるので、より多くの守人が必要になります。
・手番では通常のカタンのアクションの他に、スペシャルカードによるアクションができる。
・最大騎士力、最大交易路が1点扱い
・発展カード「独占」の代わりに「新規採用」(守人無料配置)というカード。
・同じ資源3枚で好きな資源に交換できる。
こんな感じ。
2人プレイの様子
このゲームを積んでしまった理由は公称プレイ人数3~4人で、なかなか遊ぶ機会がなかったんですが、今回は2人でも遊べるのかチャレンジしてみました。ちなみにマップの並べ方は4人用と少し狭い3人用が用意されていますので3人用のマップで遊びました。以下は2人プレイでの感想ですのであしからず。結論から言えば2人でも全然楽しく遊べましたよ。
まずはじめに遊ぶ前に説明書を読んで、ゲームの終わり方が2つあるっていうのが少し冷めました。野人に侵攻されたら全員敗北(判定勝ちはあるけど)エンディングと、それを防いで10点獲得しての完全勝利エンディング。
もう勝てないと思ったプレイヤーが自分勝手な行動に出てもゲームは壊れないの?
プレイヤーの良識に依存したシステムって面白くなるの?と少々心配しながらゲームを始めました。
サイコロ振って資源溜めて町を作る。町を作ると野人が開放。必要性がわからないので守人を二人とも配置していない。考えていたよりもあっという間に野人ダイスが火を噴き1度目の侵攻。
タイ太郎「これあと2回侵攻されたらゲーム終わりだよ」
ほうみ「ふーん・・・」
それで?って感じでピンとこない。
まあじゃあしょうがないかという感じでポツポツと守人を作るも、野人は防御網を抜けて2度目の侵攻。
タイ太郎「あと一回でゲーム終了」
ほうみ「…うん」
タイ太郎「…うん」
とりあえずコレで終わってはいかんと守人の捻出に二人とも資源を割きますが、最大騎士力の獲得が成されたあたりで守りきれずに野人が3度目の突破。
タイ太郎「あー、悲劇的勝利の場合はより多くの守人を設置してるほうの勝ちだからこっちの勝ちだわ」
ほうみ「うん」
タイ太郎「(う、うれしくない…)」
前回の反省を踏まえて守人の設置を心がけようということで2戦目。
またもや私がひとつ目の町を建築。生み出された野人が速攻で壁を越えて1度目の侵攻。
タイ太郎「ちょっと何やってんの!」
ほうみ「通路に野人が置かれてからは大分早いね。気をつけなきゃ」
というのも、野人がどの3択の通路に振り分けられるか分かるのは町を建てたあと。そのあとダイスで2択のどちらかの壁に攻めてきます。
だから3択のどこの通路に振り分けられるか分かったあとに、守人を配置したいところ。
でも「家と同時に守人分の木、レンガ、羊を捻出するのはきついから1,2周くらい平気だよね?」って感じで後回しにした野人はすぐに壁を越えます。
ところがタイ太郎もすぐに町を建てないとバランスよく資源が手に入らないという町の初期配置をしていたので、守りを固める前に勝手に町を作りやはり守人は間に合わず2度目の突破。
これはせめて壁に一人ずつ守人を配置した状況でないと新しい施設を作っちゃダメだ。というなんとなくの合意に達して防衛をメインにゲームを進めます。
しかし、都市を建てると一気に2匹の野人が放たれます。2人が都市を建て始めるころ、そのスピード感の見立てが足らずに3度目の侵攻。最大騎士力、最長交易路が1点なのが効いていて強引に10点まで突っ走ることができなかったです。
守人の数は同数だったので、勝利点をより稼いでいたほうみの悲劇的勝利となりました。
タイ太郎「・・・うん」
ほうみ「・・・うん(つ、つまらん…)」
たしかに、3度目の侵攻されたときに、より守人が多いほうが勝利というルールではありますが、ゲームオーバーが見えたときに悲劇的勝利でもいいから勝ちたいので守人の数を増やすぞ!という気分にはなりませんでした。もうこれ両方負けでしょ。悲劇的勝利の設定いるの?
そういう自分の感情に気づいたのと、そしてこの野人システムは結構本気で取り組まないと完全勝利できない難易度なんじゃないか、と思ったときからこのゲームの印象が変わってきました。
カタンとして遊ぶと正直面白くないです。私はカタンのシンプルさが好きなので野人要素も、スペシャルカードもうっとうしいなあ、やっぱりカタンは普通のが一番面白いなあと思って初めはやってました。
これはカタンというよりキープクールです。
やれることが自由すぎて満足感のあるプレイをするのにかなりのスキルを必要としたキープクールをカタンシステムでマイルドに遊びやすくした感じ。
キープクールはみんな自分勝手やってると速攻で世界が終わります。カタンゲースロもプレイヤーが自分勝手に守人もなく都市化させたり、町を建てたりすると速攻で野人の侵攻で世界が終わります。なのでできるだけ先に守人を置いて内地の防衛力を高めながら余裕が出た分だけ開発するようになります。
キープクールとして遊ぶように意識が変わると3戦目は俄然面白くなってきました。邪魔だった11枚のスペシャルカードによるアクションは戦略の幅を広げるのに役立ってきます。ゲームの基本部分にカタンシステム+11種類のアクションで競うのでキープクールよりもはるかに遊びやすいです。
あと、キープクールよりも未来の脅威が目に見えやすい。
開発が進むと目に見えて野人が壁の外に溜まっていきますので、そのあたりが差し迫ってくる雰囲気もgoodだし、未来のリスクを想定した予防的行動をとりやすくなってますね。
3戦目は野人の侵攻を2度に抑えてほうみが勝利。2~3ターンの間、サイコロ次第でゲームオーバーもあり得るというようなギリギリの綱渡りをしながらの開発合戦を繰り広げました。また最大交易路がプレイヤー間で移動した際にも野人が追加されるので、資源も必要性もあるのに今は伸ばせない!という普段のカタンではない場面もありました。
ゲームオブスローンズファンに薦められるか?
戦っている相手は一人だけではなくて、共通の敵が存在する中、部分的に協力しながらどう立ち回るかというゲームオブスローンズみたいな雰囲気は出てるといえば出てます。
あと「今回は相手に防衛させつつ勝利をかっさらう原作でいえば○○みたいな勝ち方じゃない??」みたいな無理やりゲースロをからめた感想戦で私たちはネタ的に楽しめました。遊ぶ側で大分寄せていけばゲームオブスローンズの世界に浸ることもできなくはない笑
感想
キープクール+カタン。どれくらい開発したらどれくらい野人の脅威が増すかは何度か失敗して学習していきます。それで段々プレイヤーのスキルが上がってきてギリギリのところで10点に先着する。そのお互いが段々やっていいこと悪いことを学んでゲームになっていくのが面白かったです。スペシャルアクションで「資源が手に入らなかったら好きな資源をもらえる」「1:1で銀行と交換できる」などの効果があり、通常でも銀行との交換レートは3:1に、最大騎士力、最大交易路は1点に修正されていることからも、カタンとしてのエッジは大分弱くなっています。キープクール的な攻防をメインで楽しめるようにしたのだと思います。キープクール自体は手に入りづらいようなのでそういうゲーム性に興味のある人は遊んでみてもいいのではないでしょうか。2人プレイでもマップが広すぎるとか野人システムが不具合を起こすとかそういうことはなかったです。