真夜中の探偵
サスペンステーマのストーリーテリングゲーム。
ストーリーテリングはカードプレイしておとぎ話を作るワンス・アポン・ア・タイムが有名ですね。
この作品は人物や場所や物などが描かれたカードを順番にプレイしながら物語をつむいでサスペンスドラマを作ります。
コミカルな展開で笑いながらのネタプレイもありですが、推理小説、映画好きな私たち夫婦は満足のいくストーリーを作ろうと最大限の努力をもってプレイしています。実際の完成度はさておいて…
ざっくりルール
事件の概要のみが書かれたシナリオを複数の中からひとつ選びます。
複数候補の中から主人公となる探偵を選びます。
4人の容疑者を決めておきます。シナリオ推奨の人でもいいし、自由に選んでもOK。ただし、必ず男と女を入れること。
手番が来たらカードを順番にプレイします。カードの内容をストーリーに混ぜて話を進めます。1手番で2枚までプレイ可能です。
カードは物語カードと手がかりカードがあります。
手がかりカードがプレイされると手がかりトークンが大体ランダムの、時に任意の容疑者カードに置かれていきます。トークンの裏は見れないので置いた人も数字は分かりません。
手がかりトークンは誰が真犯人か決めるのに使います。
手番が終了時、5プロットポイント(通貨のような使い方なので以下、金で説明)もらえます。
物語カードの入手に1金、手がかりカードの入手に2金が必要です。
更に手がかりトークンが置ける手がかりカードはプレイするのに4から6金の支払いが必要です。
どんな風にプロットポイントが取り回されるかというと、1手番で手に入る5金は、1~3金ほどがカードの補充に使われ、2金が溜められます。順調に進めば3手番ほど物語カードがプレイされたら1枚手がかりカードがプレイされる感じですかね。
2人プレイでは13個手がかりトークンが置かれると終了なので、最初に任意で置かれる2枚を除けば11枚の手がかりトークン、大体1枚ずつ置くので、11枚の手がかりカード×3とすれば33ターン前後ストーリーをつないでいきます。
コレくらいいきます
規定数の手がかりトークンがカードの上に置かれたら、いよいよ事件の真相が明らかに。
手がかりトークンがオープンされて一番容疑者ポイントが高い人物が犯人です。
+2や-1もありますので、最後まで犯人は分かりません。1枚でも犯人になったり、結構予想外の結果になることが多いです。
その犯人に一番手がかりトークンを置いていたプレイヤーが一応勝者。物語のエンディングを語る権利を得ます。
今プレイの様子
今回選ばれたシナリオはこちら。
「失踪した作家」
探偵はこちら。
ハードボイルドなキャラを引きましたね
容疑者は推奨のこちらの4人が決まりました。
この時点では彼らの名前もないし、どう物語に関わってくるのかももちろん決まってません。
※以下のプレイ記、この事件と探偵と容疑者で自分だったらどういうストーリーにするかを考えてから読むと他プレイヤーとの考えの違いを感じて参加してる雰囲気を味わえるかと思います!
~突如消えたホラー作家。彼の行方は?そして背後にどんな事件がかくされているのか!?~
アイーダの依頼から物語は始まる
まずは最後に彼と会ったという彼の担当編集者マイク=ベルモンドに話を聞きに行くことにしたスコット探偵。
待ち合わせでホテルのロビーに現れたマイクによればランディに会ったのは10月10日。
そのとき彼は今までのホラー小説とはテイストの違う「皆を驚かせるような小説」が完成間近なことに上気していたという。
10月15日の締め切りにまた原稿を取りに来たときにはランディは消えていたということだった。
マイクから話を聞いてホテルを出たスコット探偵は、駐車場の暗がりで有名政治家スチュアート=ニコルソンの秘書ザッキーが黒い格好をした男に何かを渡しているのを偶然目撃する。
それは札束の入った封筒のようにも見えた…。事件に関係はあるのか?
こんな風にカードを出し合ってストーリーを作っていきます。
次にスコット探偵はいなくなったランディの主治医ジョン=リーに話を聞いた。
彼からはランディについての役立つ情報は得られなかったが、気になる話を聞いた。それは数日前にもランディのことを質問しにきた男がいたということ。そしてその男の乗っていた銀色のポルシェはその後もたびたび病院の周りでスタッフによって目撃されていたという。スタッフの一人が記憶していた車のナンバーは「2577」。FBIの仲間の伝手で持ち主を調べると、それは大御所の役者スターク=ニーソン所有の車であることが判明。スタークといえば、消えたランディの母親、依頼人のアイーダ=ウィルソンと一時不倫関係が噂された役者だ。彼は何を探っていたのだろうか。
スコット探偵はもう少しランディの周辺を洗ってみることにした。次に注目したのはランディの妹、女優のアリス=ウィルソン。(母は政治家、兄はホラー作家、妹は女優。すごい家族!)虫もころさぬような容貌の彼女だが、彼女には黒い噂があった。(このあたりから「編集者は大体なんでも知っている」という理由で編集者マイクは情報通、相談役になっていきます笑)マイクによると、アリスは夜な夜な女優仲間や政治家などの有力者を集めて会員制のパーティを開催しているというのだ。
そこでスコットは会場となっているホテルのスイートルームに潜入を試みたが屈強なボディーガードにがっちり守られ、入ることはできなかった。またもマイクに相談すると、中で何が行われているかは知らないが、以前ボディーガードとして働いていた男なら紹介できるという。
教えてもらった住所の古い建物には、昼間から酒を飲むマックスがいた。
彼は麻薬取引の汚職事件で辞めた元警察官である。偶然にもスコット探偵とはFBIで働いていたときに見知った仲でもあった。マックスはスコットとの再会を喜ぶとアリスの主催するパーティーについて彼が知っている限りのことを教えてくれた。
マックスによるとパーティーでは駆け出しの女優や女優志望の若い女の子が集められ、政治家や企業家などの有力者にあてがわれるデートクラブになっていたというのだ。更に役にたたなくなった女の子は使い捨てられることもあったらしい。
スコットは仮説を立ててみた。ランディはアリスのパーティに何らかの形で参加したのではないか。そしてそのときに目撃した政治家の醜聞を題材した小説を書いた。それが発表されるのを恐れた政治家がランディを拉致したという仮説だ。
そういえば、以前ホテルの駐車場で見た有力政治家スチュアートの秘書が金を渡しているように見えた人物は、アリスのパーティー会場を守っていたボディーガードに似ているようにも思える。政治家スチュアートとアリスは共謀しているのか?ランディが行方不明になってなお、死体として発見されていないのは、実妹アリスが事件に関わっているからなのか。もしくは彼の小説は隠されていてまだ犯人の手に渡っていないがゆえに生かされているのだろうか。
この仮説を元に、政治家スチュアートの秘書ザッキーにコンタクトを取ってみたが、にべもなく関与を否定されてしまった。証拠もないのだから当然か。するとそこに一本の電話。元汚職警官、マックスが「アンタに渡したい面白いもの」があるという。彼の家に向かった。
彼が渡してきたのは小説の原稿だった。どうやってこれを手に入れたのかを聞くとアリスのパーティーのボディガード仲間から「これは金になる」と言われ預かったものだそうだ。昔のよしみでスコットに譲ってくれるつもりになったらしい。
少なくない金額を渡して原稿を受け取ったスコットは、編集者マイクにこの原稿の筆跡がランディのものであると確認してもらい中身を確認した。そこには驚くべき内容が記されていた。描かれていたのは政治家のセクシャルな醜聞などではなく、パーティーの中で起きた恐ろしい殺人だったのだ。被害者は駆け出しの女優。彼女が薬物によって殺される様子が小説には克明に書かれていた。スコットははやる気持ちでページをめくった。しかしそこには犯人や事件の解決が書かれたであろう後半が抜け落ちていたのだ。
この殺人を隠したい誰かがランディを小説ごと拉致しようとしたのではないか。そして真相を記した小説の後半はどこにあるのか。考えを進めようとしたスコットはゾクリとしたものを感じた。何故こんなにも都合よく小説が自分の下に転がり込んできたのだろうか。マックスはボディーガード時代の仲間がこの小説を預けてきたと言った。そのボディガードがランディを病院から拉致した際にこの小説を手に入れたのだとしたら、何故政治家やアリスに渡さなかったのか。雇い主である政治家やアリスを密かに裏切り、あとで強請る目的で小説を見つけたことを黙っておくというのも考えられないことではない。しかしそんな大事なものを飲んだくれの元同僚に預けるだろうか。現にマックスは原稿をいとも簡単に手放してしまっている。
スコットは自分が利用されているのではないかと疑いを持った。ランディを捜索中の探偵がこの小説の前半を持たされたら間違いなく後半を探そうとするだろう。そしてそれこそが犯人が欲しいもの。自分が発見した瞬間に後ろからズドン。原稿は奪われ、ランディも消される。そんな可能性を考えると、マックスは本当に信用ができるのか怪しくなってきた。
あまりにも都合よく小説原稿を差し出してきた彼を信用してもいいのだろうか。彼も何か事件に関与しているのだろうか?
スコットはとりあえずパーティーで死んだという女優について調べることにした。アリスの交友関係で、行方不明や地元に帰ったことになっている女性を洗うと、条件に当てはまる人物がひとり。駆け出しの女優だったミアンナである。
実力派として業界で注目されつつあった彼女の消息は一時からぷつりと切れていた。スコットは彼女を調べようと所属事務所のあるチャイナタウンに向かった。
しかし事務所のあった住所はもぬけの殻。簡単な家具が残されるだけで誰もいなかった。もともと小さな芸能事務所だとはいえ、きれいになくなってしまうとは、もし意図的に誰かがやったことだとすれば相当の実力者である。事務所を出ようとしたとき、スコットはドアの隙間から中をのぞいていた男とぶつかった。尾行者に身構えたが、話を聞いてみると彼はミアンナの大ファンのジョニーという青年だった。
ほぼストーカー並にミアンナを追いかけていたジョニーは5月10日にミアンナがホテルのスイートルームに入ってから一切姿が見えなくなり、そうこうしているうちに事務所は閉鎖されたことをひどく心配していた。そこでたまにこうして事務所の周りをうろついていて、中に入っていくスコットを見つけたのだという。スコットが別の事件のつながりでミアンナの行方を捜していることを教えると涙ぐんで「自分からもミアンナの行方の捜索をお願いします」と依頼されてしまった。探すものがランディ、小説の後半、ミアンナと大分増えてしまった。スコットは「やれやれ」という気持ちだった。
また、事情通のマイクの話によると、どうやらアリスはミアンナと表面上は仲のよい女優友達のふりをしていたが、実はメキメキと実力を伸ばしつつある彼女を嫌っていたらしいという情報を聞くことができた。
ホントに何でも知ってるなー
ミアンナのストーカー、ジョニーのおかげで現実のミアンナが姿を消した日にちがはっきりとした。5月10日。有力政治家スチュアートの秘書ザッキーにその日、スチュアートが何をしていたのかたずねた。すると5月10日はベルギーでの会議に出席しており、国外に出ていたというのだ。スチュアートには完全なアリバイがあったのだ。
アリスとスチュアートが共謀しているのではないかという予想が外れてがっかりしたスコット探偵だったが、ほどなく探しもののうち1つは見つかることになる。それはFBIの元仲間からの連絡。「ランディ=ウィルソンが見つかった」。
スコットはランディが自宅療養中というウィルスン邸に駆けつけた。警察の話によると、ランディは湖のボート小屋で倒れているのを近くに住む少年たちが見つけたということだった。しかしランディは心神喪失状態で話をすることがまったくできず、スコットが話しかけている間中ずっと窓の外をぼんやりと見ているだけだった。解せなかったのは元々の依頼者であるアイーダ=ウィルソンの態度だ。ランディが見つかったことは喜びつつも、事件を大っぴらにしたくない、マスコミにも今回の失踪事件についてはオープンにしないということだった。そして決められた報酬を支払うと屋敷からスコットを追い出してしまった。
依頼をしてきたときの母としての狼狽具合と現在の淡白さの二面性はどうにも解せない。そして、ランディがミアンナの失踪を小説にして明らかにしようとしていたにも関わらず何故ランディは生かして返されたのか。それも謎だ。すっきりしないまま病院を出ると、ミアンナのストーカー、ジョニーから電話があった。
ジョニーは、当時ミアンナをしょっちゅう迎えに来ていた車のことを思い出したという。車に乗っていた男はミアンナと親しげだった。車種は銀色のポルシェでナンバーは「2577」。聞き覚えのある情報に手帳をめくるとその車はランディの病院を探っていた大御所俳優スターク=ニーソンの車だ。
スタークとミアンナは男女の仲だったのか?そしてスタークはランディの何を探っていたのだろう?この事件にスタークはどのように関わっているのか?スコット探偵はミアンナとスタークが度々そのまま消えていったのをジョニーが目撃したというクラブを調査することにした。
クラブMaryは一流クラブだった。そのメアリという女主人にスコットは話を聞いた。大御所役者スタークがお得意さまだということ。そして、少し前よく若い女性を連れて来店していたということ。
「とすると、二人は愛し合っている恋人同士って感じだったのかい?それともどちらかの気まぐれな一時的な付き合いって感じだったのかい?」
スコットは尋ねた。メアリは少し考えてこう答えた。
「いや・・・あれは恋人同士っていうよりもむしろ・・・」
電話が鳴る。ジョニーだ。無視して会話を続ける。
「むしろ?」
「父と娘って感じだったわね。」
ジョニーからの電話。
「聞いてくれスコット。事務所を漁ってたらすごいもの見つけたんだ。ミアンナの公的な身分証明書のコピーさ。彼女の本名はミアンナ=ニーソン。スターク=ニーソンの隠し子だったんだ。」
スコットはアリス=ウィルソンにアポイントメントを取った。「お兄さんの失踪とミアンナのことで聞きたいことがあるんです」アリスは承諾した。約束の時間にスコットがスイートルームの扉を開けるとそこにはなんと、腕を縛られたアリスが横たわっていた。急いで部屋に入って縛っているものをほどき、アリスを解放すると彼女はガタガタと震えたまま、何も話さなくなってしまった。アリスは無事に警察に保護された。
そしてアリスを縛っていたリボンの指紋を調べると、驚くべき人物の指紋が検出されたのだった。スコット探偵はウィルスン邸へと車を走らせた。
そしてアイーダ=ウィルスンに指紋の人物の名前を告げると彼女は家の奥から一枚の古い写真を出してきた。それを見てスコット探偵は事件の全容を知ったのだった・・・。
ここで13枚目の手がかりトークンが置かれることになりました。
さあ、真犯人は誰だったのでしょうか?
私たちもこの時点では知らないんですよ!物語を作ってきたのに!
4つのトークンが乗る大御所役者、もしくは有力政治家なのでしょうか?
それとも3つの無邪気な妹?
はたまた久々登場の汚職警官?
結果は・・・・・
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汚職警官+1
大御所の役者0
有力な政治家+1
無邪気な妹+3
真犯人は無邪気な妹!
ということは勝者は無邪気な妹に2つトークンを置いているタイ太郎です!
無邪気な妹を犯人にして、さらに今までの伏線を(可能な限り)回収して事件のエンディングを語ってもらいます!
いやー、今回は話が結構広がっていて、かなり大変ですね!
ほうみは眠気マックスだったこともあり、負けてよかったと心から思いました!
タイ太郎が謎解きを考える間、皿を洗って寝る準備をします。
聞こえる「できたよ~」の声。
さて、では解決編どうぞ~!
部屋にはスコット探偵、神妙な面持ちのアイーダ=ウィルスン、窓の外に視線を漂わせるランディ=ウィルスン。
スコット「アイーダさん、今回の事件の犯人は今申したとおりアリス=ウィルソンなのです。事件というのはもちろん駆け出しの女優ミアンナが殺された事件のことです」
アイーダは緊張感に身を震わせていた。
スコット「アリスを縛っていたリボンから検出されたのはアリス自身の指紋と唾液だけでした。自分で自分を縛って誰か他の存在がいることを印象付けようとしたのです。そんなことをする理由はひとつ。彼女がミアンナ殺害の犯人であるからです」
スコット「そして犯行は当初考えられていたようなパーティーの中での複数犯によるものではなく、アリス単独の犯行だった」
スコット「ランディ、君は拉致されたのではない。ミアンナの死を組織的で陰謀めいたものに捜査をミスリードするためにあの小説をでっち上げたのだね?そして発表前に作家が姿を消したとなればその信憑性は増す。警察はありもしない犯罪を追いかけ続けることになる。そして今も君は自失したふりをしている。すべては妹を守るために。」
ランディは窓の外を見続けている。
スコット「アイーダ。ランディが家に戻った後、態度を変えたのはアリスが犯罪に関わったことを知ったからですね?そしてどうしても分からなかった動機がこの写真を見てはっきりとしました」
古い一枚の写真には芝生でピクニックセットを広げる3人の人物が写っていた。一人はアイーダ夫人。まだ若い。その隣には同じく若い頃の大御所役者スターク=ニーソン。そして二人の間で寝転び満面の笑顔でいるのは幼いアリス=ウィルソンだった。
スコット「芸能関係の事情通から聞いていたのはアリスがスターク=ニーソンに並ならぬ執着を抱いているということでした。それを聞いて私はアリスが年の離れた同じ役者であるスタークに恋をしているのだと思った。そして、当時スタークと密会を重ねていたミアンナに嫉妬して犯行に及んだのではないかと」
スコット「しかし、アリスはスタークに恋をしていたのではなかった。アリスはアイーダ、あなたとスタークとの不倫の末に生まれた子供だったのですね」
アイーダ「アリスが知ったのは最近。その写真を偶然見つけたの。それまでは私とスタークだけの秘密だった。スタークは同じ業界で頑張るアリスをかげながら見守っていたのよ」
スコット「アリスはスタークを父だと知った。そして父を奪ってしまおうとする若い女性のミアンナを殺した。ミアンナとスタークの親子関係は世間的に伏せられていましたからね。彼女は誤って異母姉妹を殺してしまったんだ。アリスは死の間際にミアンナが自分の姉だと気づいたのかもしれない。深く後悔したはずだ。そしてそれを目撃したランディ、あなたは妹を守るために小説を書き姿を消した」
ランディはスコットの方にゆっくりと顔を向けた。その視線ははっきりとしていた。
ランディ「妹は、アリスはミアンナの首を絞めました。そして事切れる間際にミアンナは言ったんです。『ゴメンね、私たちのお父さんを独り占めにして…』とね。ミアンナは父親に聞いてアリスのことを知っていたのだと思います。一瞬のことで私は止めることができなかった。私はアリスをかばおうと思いました」
スコット「死体の処理は政治家秘書のザッキーに頼んだのでしょう。彼なら荒っぽいことをする人脈を知っている。情報によるとザッキーはパーティーに出席して知り合ったアリスにぞっこんだった。アリスはそれを利用したのですね」
ランディ「無邪気な妹なんですよ」
警察に保護されていたアリス=ウィルソンはそのまま参考人として事情を聞かれることになった。こうしてスコット探偵の奇妙な依頼をめぐる事件は終わりを告げたのだった。
エピローグ
スコットの事務所の電話が鳴った。
編集者マイク「スコットかい?前回の事件で新しい進展があったんで報告だ。アリスの主催していたパーティーの全容が警察の捜査の中で明らかになった。女優志望の女性を食い物にした非合法のデートクラブってことで会員の有力者の中にも逮捕者が出ているみたいだ」
スコットはぼんやりとマイクの話を聞いていた。
編集者マイク「なんでも出入りしてた有力者、女性すべての本名が書かれた会員リストが見つかって関わっていた人間は芋づるであげられてるって話だ。秘密をお互いに守り合うのが売りのクラブだったから、個人情報をしっかり提出しないと入ることができなかったらしいが、それがアダになったみたいだな。それじゃ、今回は一緒に仕事ができて楽しかったよ。また機会があればどこかで会おう」
一気にしゃべり終えるとマイクはブツリと電話を切った。
受話器を持ったままスコットは考えごとをしていた。
「無邪気な妹、か」
スコットはそうつぶやくと、受話器を置いて、ランチを食べに出かけた。
感想
段々この世界になかった物語が作り上げられていくのは超面白いです!
まあ無理やりなところもあるけど自分たちで作ったストーリーは愛着わきます。
私たち2人のクセがあって、
ほうみ(愛読書:赤川次郎)は何故事件が起きたのかキャラクターの心理的な部分を考えるのが好きで
タイ太郎(愛読書:東野圭吾)はどんでん返しとか物語のきれいなつじつまあわせが好きです。
順番に物語をつむぐので流れに沿って発展させていくことが多いのですが、新しい人物や事実を登場させるだけさせて相手に丸投げみたいなことも結構あります。
やられた側は何とか今までのストーリーとくっつけようと頭を絞るのですが、この作業が苦しいけど楽しい!そんな小説家みたいな苦しさと楽しさを体験できる珍しいボードゲームです。
「大体こんなストーリーにしようかなー」っていう見立てをしながらプレイするのですが、そうすると次の展開を考えるときに想像力に無意識にフタをしちゃってるんですよね。収拾つかなくなっちゃわないように。でも2人でやってるので、全然考えもしなかった展開をぶっこまれます。それがつなげていくのは大変なんですけど、自分の想像力の外に物語が広がっていくのがすごく気持ちいいです。
カードのイラストは、小学校にあったハードカバーの推理小説の挿絵のようなタッチで雰囲気バッチリだし、手がかりトークンを開けるまで真犯人をこの世で誰も知らないっていうシステムはラストまでドキドキして最高。ダイスで置く容疑者が決まることもあるので本当に予想がつきません。だから物語の方向を決め付けず最後まで誰が犯人になってもいいように広く構えるといいです。
本当に面白いゲームですが、ただしプレイ時間は激長。公称45-90分ですけど、私たちは今回は3時間強やってました汗 最後めちゃめちゃ眠かった…。2人でやるといつも大体3時間コースですので気合入れないとプレイできません。
もう少し細かいルールがありますけど大体の流れはこんな感じ。
あとゲーム中にお互いを評価するモードもありますがそれは未プレイ。
推理小説好き、妄想好きならかなり楽しめる作品だと思います。
私たちは横に相関図を書くホワイトボードを置いてプレイしています。